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TALK ABOUT-COFFEE & CHILL OUT LUCAS B.B. (PAPERSKY)

2021/06/17

一日のはじまりに熱々のホットコーヒーが欠かせなかったり、縁側でアイスコーヒーを傾けながら過ごすリラックスタイムが何よりの楽しみだったり。飲み方も付き合い方も人それぞれだからおもしろい、コーヒーのある暮らし。本企画は“COFFEE & CHILL OUT”をテーマに、さまざまなジャンルで活躍中のインフルエンサーをインタビューする連載企画。多種多様なライフスタイルをショーケースに、コーヒーとの付き合い方や、いつものリラックス時間の過ごし方についてお話をうかがいます。

「いつも2 種類くらいのコーヒー豆を常備して、気分に合わせて使い分けてます。最近よく飲むのは、ブルーボトルコーヒーのスリー・アフリカズ。3種類のアフリカ豆を使ったブレンドで、香りはしっかりしているのに軽くて、さっぱりした飲み口。ワインに例えるとピノ・ノワールみたいな感じかな。自分の趣向にもマッチしていて、最近のお気に入りです」

取材で訪れた私たちのために、台所でコーヒーを淹れながら話すのは、トラベル・ライフスタイル誌『PAPERSKY』編集長のルーカス B.B. さん。昨年から静岡県焼津市と東京の二拠点生活をしながらも、メディアの前線に立ち続ける筋金入りの編集者であり、広告の世界でも多くのプロジェクトを牽引するアイデアマンです。

ルーカスさんが都内で長年拠点にしているのは、70 年以上前に建てられたという趣のある古民家。台所には、取材や旅を通じて出会ったという各国の調理器具がずらりと並び、室内も日本家屋の良さを活かした、開放的で実家のように落ち着ける雰囲気。淹れたてのコーヒーをいただきつつ、まずは普段のコーヒーとの付き合い方について、お話を伺いました。

「淹れる量にあわせてケメックスをサイズちがいで使い分けているくらいで、コーヒーの道具は絶対にコレ、というものもありません。気に入っているものを挙げるとすれば、ホーローのケトルくらいかな。佇まいが美しいから、台所に置くだけでも絵になるしね。コーヒーを淹れるタイミングは、毎朝起きたときに飲む一杯だけ。旅先とかで飲むこともあるけど、カフェインの影響を受けやすい体質だから飲みすぎないように気をつけているんです。コーヒーもお酒も、カフェインやアルコールが含まれているからこその魅力があると思っていて、それを無くしてまで取り入れたいとは、僕は思わないですね。ありのままを楽しみたい。デカフェやカフェインレスを飲むなら、美味しいジュースをチョイスするかな(笑)」

あくまで肩肘を張らず、自分のペースでコーヒーと向き合っているというルーカスさん。長年手がけてきた雑誌
『PAPERSKY』での取材や旅を通じて、これまでに多くのコーヒー文化やショップにも触れてきたそうですが、なかでも日本の喫茶店文化こそ、あらためて目を向けるべきカルチャーだと話します。

「“ 喫茶店” って、海外にはない日本だけの文化なんです。いま飲んでいるブルーボトルコーヒーが日本に上陸するに
あたり、そのテイストから淹れ方まで、日本の喫茶店をすごく研究したという話もあるんですよ。きっと彼らは、日本人の仕事の細かさや丁寧さを、喫茶店文化から抽出したかったんでしょう。そんなふうに、本当の魅力、本当に素敵な場所って、実は身近な場所にあったりもするんですよね」

「新しくてオシャレなお店の一杯が必ずしも美味しいとは限らないし、地元の人しか入らないような古い喫茶店にこそ、意外な発見があったりもする。コーヒーには、ときに、意外な出会いをもたらしてくれる楽しさもある」と、ルーカスさん。規則的にコーヒーを飲まないのも、新たなことを受け入れようとする彼の姿勢と、何よりも貪欲な好奇心が垣間見えます。

「ずっと同じ場所にいることって、その土地に慣れるとともに、マンネリ化もしてしまう。例えるなら気の抜けたコーラみたいなもので、はじめはシュワシュワと盛り上がっているのに、時間が経てば炭酸が抜けて美味しさも失わちゃいますよね(笑)。だから、日々の暮らしやその土地を俯瞰視したり、自分を取り巻くいろいろなことを見返すことって、とっても大事。好きなことを好きなままでいたり、もっと好きになるためには、いちど離れてみるのも大切なことなんですよね」

焼津で暮らすようになってからは、結果的に自身のライフスタイルを俯瞰視することにもなり、東京の新たな魅力にも気づけたと話すルーカスさん。友人が描いてくれたという、台所に飾られたチェコの作家・カフカのフレーズ「Pathsare made by walking.(轍は、歩くことによって作られる)」を示しながら、次のように続けます。

「道って、自分で歩かなければ作られないもの。おいしいコーヒーを見つけ出すのもそうだけど、仕事のリサーチも取材も、自らが現場へ足を運んで目で見て、そこの空気に触れることはとても重要だと思っています。ネットやスマホも便利だけど、あくまでツール。それだけで満足して分かったつもりになってはダメで、やはり体験を第一に大切にしていかなければ、人も社会も、さまざまな“ 繋がり” が壊れてしまうから」

世のなかが便利になればなるほど忘れがちですが、昨今の自粛続きで、あらためてそのことを痛感しているとも話すルーカスさん。最後に、今後の展望についても聞いてみました。

「発信することって、得ることであり、学びなんですよね。だからメディアやイベントを通じて発信することについては、できる限り続けていきたいし、やりたいこともまだまだたくさん降ってくる。正直、時間も人手も足りないから、ちょっとセーブしているくらい。『PAPERSKY』にしても、同じ土地でも数年経ってまた来ると、見え方も違うし新しい発見もまだまだたくさんある。そうした魅力を伝えるのが、僕たちの使命だと思っています。そのことがおもしろくて、僕自信、日本各地をどれだけ周ったか分からないくらいだから(笑)」

ルーカス B.B. / Lucas B.B.
米・ボルティモア生まれ。1996 年にニーハイメディア・ジャパンを設立し、カルチャー誌『TOKION』を創刊。2002 年トラベル・ライフスタイル誌『PAPERSKY』を発行。弱冠12歳よりスタートしたという雑誌編集者としてのスキルを基盤に、自転車でめぐる日本再発見の旅プロジェクト「PAPERSKYTour de Nippon」や、旅道具「PAPERSKY Travel Tools」の開発など、さまざまなイベント施策も牽引。また、『metromin.』や『PLANTED』の創刊を筆頭に、クリエイティブディレクターとしても、多くのプロジェクトに参画している。
Web : http://www.khmj.com/

PAPERSKY
2002 年の創刊以来、世界中の自然や文化、暮らしから生まれるストーリーを紡いできた“地上で読む機内誌”。高知県を特集した最新号、no.64「海へ、山へ、大自然の懐へ、野性を刺激する“モダン・ノマド”の高知旅」は、全国の書店などで販売中。
Web : https://papersky.jp

PostCoffee広報 / ライターなどなど。スナフキンが好きです。Twitter:https://twitter.com/Natsu_nemui